「石けんで髪を洗うと、髪がきしむのはなぜ?」
石けんシャンプーを使い始めた方から、よくいただく疑問のひとつです。
洗髪後に髪が指に引っかかったり、ゴワゴワしたりすると、「石けんは髪に合わないのでは?」と思ってしまうかもしれません。
でも、石けんで髪がきしむのには、きちんとした理由があります。
今回は、石けんで髪を洗ったときに起こる「きしみ」の原因について、髪の性質や石けんの特徴を交えながら、わかりやすく解説したいと思います。
そもそも「きしみ」って何?
髪を洗ったときの「きしみ」とは、髪の毛同士や髪と指の間に摩擦が生じて、滑りが悪くなった状態のこと。
特に、
- シャンプー中に髪が指に引っかかる
- 髪をすすぐときにゴワゴワする
- 濡れた髪を手ぐしすると、指が通りにくい
といった感覚を「きしみ」と感じることが多いかもしれません。
この「きしみ」は、髪の表面の状態と、洗髪後の髪が置かれている環境に大きく関係しています。
原因① 石けんはアルカリ性だから
石けんシャンプーで髪がきしむ大きな理由のひとつに、石けんの「アルカリ性」という性質があります。
髪の毛は、表面を「キューティクル」といううろこ状の組織が覆っています。

キューティクルは、髪の内部を守るとともに、髪の手触りやツヤにも関係しています。
髪は弱酸性の環境ではキューティクルが比較的引き締まった状態になりますが、アルカリ性の環境ではキューティクルが開きやすくなります。
石けんシャンプーはアルカリ性なので、洗髪中は髪のキューティクルが開きやすくなります。
そのため、髪同士がこすれたときの摩擦が大きくなり、「きしむ」「ゴワつく」と感じやすくなるのです。
原因② 石けんカスが髪に残ることがある
石けんで髪を洗うときに、もうひとつ注意したいのが「石けんカス」です。
石けんは、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分と反応すると、水に溶けにくい「金属石けん」を作ります。
これが、一般に「石けんカス」と呼ばれるものです。
石けんカスが髪に残ると、髪の表面がなめらかになりにくくなり、ゴワゴワしたり、きしんだりする原因になります。
特に、
- 硬度の高い水を使っている
- 石けんの使用量が少なく、十分に泡立っていない
- 髪を十分にすすいでいない
- 髪に対して石けんの洗浄力が強すぎる
といった場合には、石けんカスによるきしみを感じやすくなることがあります。
原因③ 髪の状態によって、きしみ方が違う
石けんシャンプーの「きしみ」は、すべての人が同じように感じるわけではありません。
髪の長さや太さ、ダメージの程度などによって、感じ方は変わります。
たとえば、カラーリングやパーマなどで髪が傷んでいる場合、キューティクルがすでにダメージを受けているため、石けんシャンプーのアルカリ性による影響をより強く感じることがあります。
また、髪が長い方や毛量が多い方は、髪同士が触れ合う面積も大きいため、きしみや摩擦を感じやすい傾向があります。
つまり、「石けんシャンプーだから必ずきしむ」のではなく、髪質やダメージの状態、洗い方などによっても、きしみの感じ方は変わってくるのです。
では、なぜ酸性のリンスを使うの?
石けんシャンプーの後に「酸性リンス」を使うのは、アルカリ性に傾いた髪を酸性側に戻すためです。
石けんで洗った髪に、クエン酸や酢などを使った酸性リンスをすると、髪の表面が酸性側に戻り、開き気味だったキューティクルが整いやすくなります。
そのため、石けんシャンプーの後に酸性リンスを使うと、洗髪中に感じていたきしみがやわらぎ、髪が指に通りやすくなります。
「石けんシャンプーはきしむ」と感じる方は、酸性リンスを上手に取り入れることで、使用感が大きく変わることがあります。
きしむからといって、髪が傷んでいるとは限らない
ここで大切なのは、「きしむこと」と「髪が傷むこと」は、必ずしも同じではないということ。
石けんシャンプーでは、アルカリ性によって髪のキューティクルが開きやすくなるため、洗髪中やすすぎの際に一時的にきしみを感じることがあります。
でもそれは、必ずしも髪そのものがダメージを受けたという意味ではありません。
石けんシャンプー後に酸性リンスを使うことで、髪の状態を整え、きしみを軽減することができます。
「洗っているときはきしむけれど、リンスをすると指通りがよくなる」という場合は、石けんシャンプー特有の使用感によるものと考えられます。
石けんシャンプーで「きしみ」を減らすポイント
以下に、石けんシャンプーを快適に使うためのポイントを挙げてみました。
① 髪をしっかり濡らしてから洗う
洗髪前に髪全体を十分に濡らしておくことで、汚れを落としやすくなります。また、髪全体に石けんシャンプーをなじませやすくなります。
② 石けんシャンプーを十分に泡立てる
泡が少ない状態で髪をゴシゴシこすると、髪同士の摩擦が大きくなります。
十分に泡立てて、泡で髪と頭皮を包み込むように洗うとよいです。
③ すすぎをしっかり行う
石けんシャンプーは、すすぎが不十分だと石けん成分が髪に残り、きしみやベタつきの原因になることがあります。
髪の根元から毛先まで、十分な量のお湯で丁寧にすすぎましょう。シャンプーブラシを使うのもお勧めです。
④ 酸性リンスを使う
石けんシャンプー後のきしみが気になる場合は、酸性リンスを試してみてください。


髪を酸性側に戻すことで、きしみを軽減し、髪の指通りが整えやすくなります。
石けんシャンプーの「きしみ」は、石けんの性質によるもの
石けんで髪を洗ったときに感じる「きしみ」には、主に石けんがアルカリ性であること、そして石けんカスが髪に残ることなどが関係しています。
髪のキューティクルが開きやすくなったり、髪の表面に石けんカスが付着したりすることで、髪同士の摩擦が増え、きしみとして感じられるのです。
ただし、「きしむから石けんシャンプーは髪に悪い」と一概に考える必要はありません。
石けんシャンプーの特徴を理解し、十分なすすぎと酸性リンスを組み合わせることで、きしみを抑えながら使うことができます。
石けんシャンプーを使い始めたばかりの方は、最初はきしみに戸惑うことがあるかもしれません。
しかし、正しい使い方を知ることで、石けんシャンプーならではのすっきりとした洗い上がりを楽しめるようになります。
「きしみの原因」を知って、自分の髪に合った洗い方を見つけてみてくださいね。
合成シャンプーは指通りがいいのに、なぜ石けんシャンプーはきしむの?
普段、合成シャンプーを使っている方が初めて石けんシャンプーを使うと、「髪がきしむ」「指が通らない」と感じることがあります。
これは、合成シャンプーと石けんシャンプーでは、髪を洗った後の状態や、髪の表面に残る成分が大きく異なるためです。
合成シャンプーは「洗った後の指通り」を考えてつくられている
一般的な合成シャンプーには、髪の汚れを落とす洗浄成分だけでなく、髪をなめらかにするためのさまざまな成分が配合されています。
たとえば、製品によってはコンディショニング成分やカチオン性成分、シリコーンなどが配合されています。
これらの成分が髪の表面に付着することで、髪同士の摩擦を減らし、指やくしがスムーズに通りやすくなります。
つまり、合成シャンプーでは、「洗った直後から髪をなめらかに感じられること」も含めて、使用感が設計されているのです。
そのため、長年合成シャンプーを使っている方ほど、石けんシャンプーに変えたときの「きしみ」を強く感じることがあるかもしれません。
石けんシャンプーは「髪をコーティングして指通りをよくする」ことを目的としていない
一方、石けんシャンプーは、基本的に石けんの洗浄力によって頭皮や髪の汚れを落とすシンプルな洗浄料です。
合成シャンプーのように、髪の表面をなめらかにコーティングして、指通りをよくすることを目的とした成分は、基本的に配合されていません。
さらに、石けんはアルカリ性なので、洗髪中は髪のキューティクルが開きやすくなります。
そのため、洗髪中やすすぎのときには、髪同士の摩擦が大きくなり、きしみを感じやすくなります。
ここが、合成シャンプーと石けんシャンプーの大きな違いです。
「きしみ」は、髪が素の状態に近いから?
石けんシャンプーを使ったときのきしみを、「髪が傷んだから」と考えてしまう方も一部いらっしゃいます。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
合成シャンプーでは、洗髪後の髪をなめらかにするための成分が髪の表面に残ることで、指通りがよく感じられることがあります。
一方、石けんシャンプーは、髪の表面をなめらかに整える成分に頼りすぎないシンプルな処方。そのため、一般的なシャンプーとは違う、髪本来の質感を感じやすいのも特徴です。
そのため、合成シャンプーから石けんシャンプーに変えた直後は、
「髪がゴワゴワする」
「指が通らない」
「髪が絡まる」
と感じることがあります。
これは、これまで慣れていた「なめらかな手触り」との違いが大きいためでもあります。
「指通りのよさ」と「髪へのやさしさ」は同じではありません
ここで知っておきたいのが、指通りのよさと、髪へのやさしさは、必ずしも同じではないということ。
髪がつるつる、なめらかに感じるのは、髪の表面が整えられていたり、コンディショニング成分によって摩擦が減っていたりするためかもしれません。
反対に、石けんシャンプーでは、洗髪中にきしみを感じることがあります。
しかし、きしみを感じること自体が、ただちに髪のダメージを意味するわけではありません。
石けんシャンプーの場合は、洗髪後に酸性リンスを使うことで、アルカリ性に傾いた髪を酸性側に戻し、きしみをやわらげることができます。
合成シャンプーから石けんシャンプーへ変えるなら
合成シャンプーを長く使ってきた方にとって、石けんシャンプーの「きしみ」は、最初に感じる大きな違いのひとつです。
そして、これまでのシャンプーで当たり前だった「洗った直後から指がスルスル通る」という感覚と比べると、石けんシャンプーは「本当にこれで大丈夫?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
石けんシャンプーは、そもそも髪をなめらかにコーティングして指通りをよくすることを目的としたものではありません。
「洗う」ことと「なめらかに整える」ことを分けて考えると、石けんシャンプーの特徴が理解しやすくなります。
洗髪後のきしみが気になる場合は、酸性リンスを使って髪を整えることで、石けんシャンプーでも快適に洗髪することができます。
合成シャンプーと石けんシャンプーは、どちらが優れているということではなく、洗い上がりの考え方や使用感が異なるもの。
「なぜきしむのか」を知ったうえで、自分の髪や好みに合ったシャンプーを選んでみてくださいね。
