国内でまかなえる油資源
お米の美味しい季節ですね。玄米を精米すると「米ぬか」ができますが、実は米ぬかは国内で自給できる唯一の油資源で、約20%もの油分を含んでいます(米ぬか油・米油)。
役に立つ成分がたくさん「米油」
米油はビタミンEなど有効成分を多く含み、血中コレステロールを下げる力が強いことでも知られます。
米油の特有成分「γ-オリザノール」は成長促進や間脳機能調節、性腺刺激などの作用が報告され、自律神経失調症や更年期障害に効果があるとして研究が進められています。
オレイン酸も多く含むので、石けんの原料油としても優秀。比較的低温でもよく溶けて泡立ちも良く、扱いやすい石けんになります。
油を取ったあとも
油を取った後の米ぬか(脱脂糠)からもフィチン酸や精選脱脂糠などが得られ、酸化防止剤、漬け床や肥料、飼料や機能性食品などの原材料として利用されます。
料理やスキンケア、お掃除にも
新鮮な米ぬかは、軽く煎っておくと冷蔵庫で約2週間保存できます。
お菓子や料理に混ぜれば栄養価アップに加え、食物繊維効果でお通じも快調に。木綿袋に入れてお肌を磨いたりフローリングの艶出しなどにも使えます。
灰にするなんて勿体ない……!
昔ほど需要がなくなった今では焼却処分されることも多いそうですが、こんなに利用価値の高い資源を灰にするのは勿体ない話。
この秋は新米と一緒に米ぬかも手に入れて、資源の有効活用を楽しんでみては如何でしょうか。
※過去のメールマガジン「石けん百貨通信 2007年10月」のコラムを再掲しています。一部加筆修正しています。