暑くなってくると、水を使う機会が増えます。その分、白くて硬い「水垢汚れ」も増えてきます。
白い水垢の主成分は「炭酸カルシウム」。炭酸カルシウムは、お酢やクエン酸水溶液で湿らせた布でしばらくパックすると取りのぞきやすくなるのですが、それはなぜでしょう。
酸と反応して水に溶けやすくなる
炭酸カルシウムは酸と反応する性質があります。炭酸カルシウムと酢酸(お酢の主成分)が反応すると、酢酸カルシウム、二酸化炭素、水ができます。炭酸とのつながりが切れたカルシウムに酢酸がくっついたわけですが、この酢酸カルシウムは水溶性なので水と一緒に洗い流すことができるのです。
酢酸の代わりにクエン酸でもほぼ同じことが起こります。炭酸カルシウムとクエン酸が反応するとできるのは、クエン酸カルシウム、二酸化炭素、水。クエン酸カルシウムは水溶性なので、やはり水で洗い流せるのです。
お掃除も化学
「CaCO3炭酸カルシウム + 2CH3COOH酢酸 → (CH3COO)2Ca酢酸カルシウム + CO2二酸化炭素 + H2O水」。水垢にお酢のパックをしているとき、この反応式通りのことが目の前で起きているわけです。そう考えると、ややこし気な化学の世界も少し身近になるようですね。
※過去のメールマガジン「石けん百貨通信 2010年7月」のコラムを再掲しています。一部加筆修正しています。