乾燥する季節になりましたね。
今日はそんな乾燥する季節と石鹸のお話です。

◎ 弱酸性のボディソープや洗顔料の方が、弱アルカリ性の石鹸よりお肌に優しいの?
洗浄料の「肌への優しさ」は、pHの数字だけでは決められません。原料や製法、使い勝手等によって、その洗浄料が肌に与える影響が違ってくる為です。
原料の配合や、保湿剤など添加物の工夫によって、その製品の洗浄力はさまざまに変化します。
これは石鹸でも弱酸性ソープでも同じ事。アルカリ性の石鹸だから洗浄力が強い、あるいは弱酸性ソープだから洗浄力がマイルド、と簡単に分けることはできません。
◎ 石鹸は中和される
石鹸は酸性物質に会うと中和されて洗浄力がなくなります。
例えば皮脂や汗など肌の汚れの多くは弱酸性です。これらは肌の上で石鹸を中和し、洗浄力を程々に抑える作用をします。
◎ 合成界面活性剤は中和されにくい
合成界面活性剤は構造が壊れにくく 残っても界面活性作用が続きます。よって、中和による洗浄力の軽減作用は石鹸と比べると低く、結果、肌の上でいつまでも洗浄力を維持するので、洗いすぎの状態になることもあります。
◎ 石鹸の方が洗浄力は抑えられ易い
中和によって洗浄力が抑えられやすいと言う点から見ると、石鹸のほうが肌に優しい或いは穏やかであると言えます。
ただし、石鹸でも「さっぱりしたいから」と何度も洗えば洗いすぎになります。それではお肌に優しいとは言えません。
◎ 乾燥する季節にお勧めの石鹸&シャンプー
【オレイン酸主体の石鹸】
オレイン酸は、オリーブ油や米ぬか油などに多く含まれています。オレイン酸主体の石鹸は皮脂の成分であるスクワレンを洗う力が弱めです。
その為、沢山出た皮脂をさっぱり洗いたい時には少し物足りません。しかし少ない皮脂を大事にしなければならない乾燥肌を洗うには適しています。

【保湿剤や植物エキス入りの石鹸】
無添加石鹸で洗浄力が強すぎるなら、グリセリンや植物エキスなどの保湿成分入りの石鹸を選ぶのもいいですね。





【過脂肪石鹸(スーパーファット石鹸)】
鹸化率を調整し、ほんの少し脂肪酸が余る状態(過脂肪)で仕上げたため適度な保湿感があります。肌に残った脂肪酸が肌を保護するため保湿力が高く、乾燥肌の方や、乾燥する季節にはお勧めです。


【ベタイン系シャンプー】
ベタイン系界面活性剤を主な洗浄成分に使った刺激がとても少ないといわれるシャンプーです。赤ちゃん用や敏感肌向けのシャンプーにもよく使われます。石鹸シャンプーでは少し脱脂力が強すぎて…という方におすすめです。

◎ 肌には「元に戻る」力がある
肌を弱アルカリ性の石鹸で洗っても、水で洗い流すと皮膚表面はほぼ中性近くまで戻ります。その後、酸性の皮脂や汗などが分泌され、肌は自然に弱酸性へ戻ります。
入浴後は体温が上がり、毛穴が開いた状態なので、肌の水分がどんどん蒸発して乾燥しやすくなります。入浴後は肌が柔らかく、化粧水や乳液がなじみやすいタイミングでもあるので、化粧水や乳液、美容液などで、肌の状態に合わせたスキンケアをしましょう。